十二指腸の炎症
十二指腸は、12インチ(=30.48cm)程度の大きさを持つ臓器であることから名づけられた消化器です。胃で消化された食べ物を、肝臓やすい臓から分泌された消化液で炭水化物・脂肪・たんぱく質を分解して小腸へ運ぶ役目を持っています。この十二指腸が炎症を起こして潰瘍が出来るのが十二指腸潰瘍なのです。
こんな症状があります
十二指腸潰瘍の主な症状は胃潰瘍と同じく、強烈な腹痛に吐き気や発熱、吐血や下血を伴います。しかし、胃潰瘍と違って食前に痛みが起こるという性質を持っています。食事をするとこの痛みが治まるのが特徴であるといえます。また、症状が悪化すると胃潰瘍と同じく穿孔を起こし腹膜炎を併合する恐れがあります。
最近わかった原因
十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と同じく胃が分泌する胃酸に含まれているたんぱく質消化酵素による自己消化が大きな原因となっています。この消化酵素は、通常であれば胃や十二指腸を痛めるほど分泌されないようになっているのですが、なんらかの理由で分泌量が増大してしまうのです。この胃酸の分泌増大の犯人が、ピロリ菌であるとわかったのはごく最近のことです。ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌が胃の内部で生成するアンモニアやたんぱく質によって胃酸の分泌が促進され、胃潰瘍や胃がんの原因となるのです。
もう一つの原因
胃潰瘍と十二指腸潰瘍は消化性潰瘍と総称することがあります。この消化性潰瘍はピロリ菌の働きではない、別の原因で発症することがあります。その原因となるのが非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)です。このNSAIDは、炎症を抑える作用のほかに鎮静作用や解熱作用があるため、日本でも頭痛薬に使われています。しかしNSAIDは、炎症を抑える過程で胃粘膜の恒常性に作用する物質を阻害してしまうため、消化性潰瘍を引き起こす原因になるのです。
治療方法
十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と同じ治療法が有効です。基本的には、胃酸を抑制する薬の使用やピロリ菌の除去が行われます。
検査法
消化性潰瘍が疑われる場合、X線検査や内視鏡検査が行われます。また、ピロリ菌に感染していないかの検査を行うこともあります。ピロリ菌の検査は、内視鏡で胃粘膜の組織を採取する方法や、呼気を検査する方法、ピロリ菌抗体の有無を調べる血液検査などがあります。
治療法
昔は外科手術で治療するのが一般的でしたが、現在では科学の進歩によって投薬による内科治療で改善できるようになりました。十二指腸潰瘍の治療には、胃酸の分泌を抑制する抗ヒスタミン受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬が使用されます。これらの治療薬を一定期間に決められた量を服用して治療します。
再発の可能性
消化性潰瘍は、治療後も再発する恐れがある病気の一つです。ピロリ菌の除去治療を受けることで、再発の可能性はぐんと低くなるもののNSAIDの使用などで再発する恐れがあります。そのため、維持療法という投薬治療を続けなければならない場合があります。
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